内科

病気解説 : 高血圧

Q. どんな病気ですか?

A. 診察室血圧が収縮期140 mmHg/拡張期90 mmHg以上、もしくは家庭血圧が135/85 mmHg以上で高血圧と診断されます。大規模な疫学調査によって、血圧が130-139 /85-89 mmHgの人は120/80 mmHg未満の人と比べると脳血管疾患の発症率が高いことが示されており、これらの値は「高値血圧」と呼ばれています(高血圧ガイドライン2019)。通常は無症状であり、測定値の再現性が確認できれば診断されます。

Q. 高血圧の原因はなんですか?

A. 高血圧は、明らかな原因がない高血圧(本態性高血圧)と特定の原因がある高血圧(二次性高血圧)に大別されます。多くの方が本態性高血圧ですが、特に若年者や家族歴などがある場合は睡眠時無呼吸 (SAS)ホルモン異常(原発性アルドステロン症等)が原因である可能性もあり、治療方針が異なります。

Q. なぜ血圧が高いといけないのですか?

A. 脳卒中や心臓病の発症リスクを高くし、これらによる死亡率が増えることが大規模な疫学研究で明らかにされています(脳血管病死へ寄与危険度は喫煙の約2.5倍)。また脳血管性認知症は血圧が高ければ高いほど発症リスクが上昇することが示されています(久我山町研究)。本邦ではおおよそ4300万人もの高血圧有病者がいるとされ、治療中でコントロール良好は1200万人 (27%), 治療中でコントロール不良は1250万人(29%)、未治療(認知あり/なし)は1850万人(44%)であるという研究もあります。この通り、高血圧は無症状であるために適切な管理を受けていない方が多い疾患で、公衆衛生上の課題となっています。

Q. 高血圧の人はただちに薬を飲む必要がありますか?

A. まずは血圧を毎日測定・記録し、血圧値に再現性があることを確認します。持続的に高血圧であるといえる場合でも、二次性高血圧を疑う所見がある場合は投薬よりも原因精査を先行することが多いです。本態性高血圧の人はまずは生活習慣の見直し(減塩食や運動療法) を行い、改善がない場合は降圧薬の内服が考慮されます。収縮期血圧が160 mmHgを超えている方は、内服療法が必要となる場合が多いです。

Q. どのような薬があるのですか?副作用はありますか?

A. カルシウム拮抗薬やACE阻害薬などの血管拡張薬が中心となりますが、合併症や病態によって利尿薬やβ遮断薬などが用いられる場合もあります。下腿の浮腫などが生じる場合はありますが、一般的には忍容性の高いお薬です。腎臓の機能が悪い方は定期的な血液検査でモニタリングを行なっていく必要があります。

文献:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン 2019
文責 磯村洋平

病気解説 : 高尿酸血症

Q. どんな病気ですか?

尿酸という血液成分の検査値異常がある場合に診断されます。症状の有無によらず一般には血清尿酸値>7.0 mg/dLの場合に高尿酸血症と診断されます。

Q. なぜ尿酸が高くなるのですか?

血清尿酸値は尿酸の産生量と腎臓や腸管からの尿酸排泄能のバランスにより規定されています。尿酸値が一定の時に体内にある尿酸の量を尿酸プールと呼び、男性では1200mg, 女性では600mg程度と言われています。食事でのプリン体摂取や生体内でのプリン体合成などの結果、1日700-800mgの尿酸が尿酸プールに入ってきますが、これと等量が排出されれば血清尿酸値に変化はありません。プリン体過剰摂取や尿からの排出率が低下した時などに尿酸プール値が増大し、高尿酸血症となります。この他、遺伝的要因や腎・代謝疾患により体質的に異常高値を示す二次性高尿酸血症があります。

Q. 尿酸値が高いとなぜいけないのですか?

大きく尿酸塩沈着によるリスクと尿酸塩沈着によらないリスクに分類されます。前者では、痛風発作(結晶誘発性関節炎)が生じたり、尿酸結石による尿路結石の原因になったりします。後者としては、慢性腎臓病 (CKD)や高血圧、心疾患(冠動脈疾患)などのリスクを上げると報告されています。

Q. 尿酸値がどれくらい高いと治療が必要ですか?

高血圧や糖尿病、心疾患などの合併症の有無で許容範囲が変わりますが、尿酸値が8mg/dLを超える場合は治療対象となることが多く、痛風関節炎を繰り返している方はより低く降下させる必要があります。

Q. どのような治療があるのですか?

尿酸値を下げる薬として尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬などを内服療法が中心となります。痛風や腎疾患などの合併症がある場合、それに対する治療も考慮されます。年齢、基礎疾患や合併症、薬剤の副作用などを踏まえて治療対象と投薬内容が判断されます。

文献: 日本痛風・尿酸核酸学会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2019年改訂)
文責 磯村洋平

外観
住所
〒260-0013 千葉市中央区中央4-16-2
TEL
043-224-1151
受付
09:30~13:00
16:00~18:00
受付 日祝
午前09:30〜13:00
午後16:00〜18:00

※上記時間は受付時間です。診療開始時刻は午前は10時、午後は16時30分となります

◎ 来院順受付
○ 時間帯予約受付
● 院長:時間帯予約, 非常勤医師:来院順
/ 休診

休診日:木曜・日祝日
◎ 来院順受付
○ 時間帯予約受付
● 院長:時間帯予約,非常勤Dr:来院順
/ 休診

交通案内